まさき生まれの食材提供基地の開設とオリジナル商品の企画販売事業

株式会社まさき村
【企業概要】
社 名:株式会社まさき村
代表者:代表取締役 三好  茂
業 種:農産物・海産物・珍味等の地産
    地消販売及び加工販売
所在地:伊予郡松前町大字筒井850番地
資本金:5,000,000円
設 立:平成20年8月
従業員:10名

○地元食材販売・加工事業への参入の経緯
 松前町は農産物と海産物の産地として自然条件に恵まれた環境にあり、農作物を象徴する「義農作兵衛」や海産物を象徴する「おたたさん」という歴史的な特色があるほか、珍味発祥の地でもあり国内で70%のシェアを誇る小魚珍味(ラウンド)ものをはじめ、海産珍味や地元の素材を使用した加工食品も多く生産されている。また、豊富な水資源を抱え交通アクセスに優れた立地条件から、東レ愛媛工場の他多くの製造業も集積している。さらに、商業施設にとっても松山圏域という魅力的な地域であり、平成20年春には中四国最大級のSC「エミフルMASAKI」がオープンした。この出店は、地元商工業者にとって脅威となることから、地元商工業者は、その対策について約2年前より松前町商工会の仲間達とともに検討を重ねてきた。

 その過程において、当該SCを経営資源と捉え、地域密着型のビジネスチャンスを創出できると考えた有志が中心となり、新たな法人を立ち上げて商工業者のみならず農漁業者との連携体を構築することによりSCと共存共栄する地域経済の活性化の道を追求する気運が高まり、SCの敷地内に直売店を設けたいという多くの要望もあり、発起人一同が商工会を介してSCを運営する㈱フジと、SC敷地内の屋外店舗開設の合意形成に至った。
 地産地消ショップの開設ということは、全国的にも例がない新しい取り組みで大規模小売店舗と地域の農水産商工業者が共存共栄を図っていく手段として画期的な道が開けたこととなり、私たちは同様の問題を抱える同胞の先駆けとして、SCを地域資源として活用し地域長漁商工業者のニーズも満たす事業の実施に着手した。
 事業実施にあたっては、組織化による継続性の確保と出品者参加型の体制を構築するため、「株式会社まさき村」を設立するに至った。

○事業内容
 「まさき生まれの食材提供基地」として、中四国最大級の規模と絶対的な集客力を誇るSC「エミフルMASAKI」の敷地内に農産物・海産物や海産珍味、及びその加工品を生産者自らが持ち込み一般消費者に販売する場所の提供を開設するとともに、農漁商工連携を促して「まさきオリジナル商品」の企画・開発をする事業運営をしている。
 店内においては、来店客に伊予灘で水揚げされた鮮魚や周辺に広がる畑で採れた農産物、それらの素材を加工した食品等を販売し、鮮度の高さや季節感をアピールするとともに、出品者間のコラボレーションによるまさきオリジナル商品(ちりめん餃子など)を販売している。
〈品揃え〉
農産物:地元及び近隣農家が生産する野菜・果物・柑橘・山野草・花き・畜産物等
海産物:地元の漁師が水揚げする近海魚や釜揚げちりめんの実演販売等
加工品:地域の商工業者が製造販売する商品や加工食品類等
〈店舗運営委員会〉
 農業部・漁業部・商工部会を設けて出店者の代表による組織化を図り、店舗スタッフとともに商品協議や運営等を行っている。
〈収益構造〉
 委託販売方式で出店者から売上高の15%を販売手数料として徴収し、専用売場を希望する出店者からは毎月1万円/坪のテナント料を徴収している。

○事業の特徴
〈優位性〉
対特産品販売所等
 特産品直売所は観光地や幹線道路沿いに設置されていることが多く、日帰り圏内の手軽さから人気を集めているが、当事業は[ヨ常的な集客力の面においても各段に優位である。
※平成18年度の県内観光客数は1、500万人(愛媛県平成18年観光客数とその消費額より)に対して、エミフルMASAKIの年間米場者予測は1、500万人と非常に集客力に優れている。
対スーパーマーケット
 大量仕入・大量販売を旨とする同種事業に比べ、次のような商品管理やお客様へのきめの細かい対応を行っている点で優位にある。
 ① 日待ちさせるための保冷蔵による蘇生を施さない鮮度の高い食材の販売をしている。
 ② POSシステムによる売上実績等の収集・分析を行い生産者に対して栽培品種の選定・適正数量・収穫時期の計画的な生産指導を行うことにより、生産=販売の効率化が図れている。
 ③ 商品の在庫と売れ行き状況を出品者へ携帯電話で情報提供できるポータル情報システムの導入により、タイムリーな商品の供給ができる。
 ④ 出品者が交代制で店頭に立ち、商品の特徴や食べ方等を説明しながら販売する、顔の見える接客方法による顧客とのコミュニケーションづくりを取り入れた販売戦略を行っている。
 また、経営陣には発起人である地域商工業者の経営者が取締役に就任してこれまでの経営ノウハウの経験を活かすとともに、計画段階から流通業界の経験を有する中小企業診断上の専門性の高いリソースを備えてのスタートである。
〈将来性〉
 主要な商圏となる松出圏域は県下唯一の人口増加の地域であり、今後も安定的な商圏として見込める。
また、同様のSCが同地域へ出店参入する可能性は低く、仮に出店したとしても同様の出店条件設定で事業を行える可能性も低いと考えられる。このことから競合に関しては脅威を意識することなく、商品構成やオリジナル商品の企画開発により顧客を飽きさせない運営努力により顧客数を確保していけることが期待できる。

拠点の具体的な支援内容
1.地域密着型ビジネス女性事業の申請サポート
① 事業の方向性やコンセプトの確立、解決する課題の検討
② 品揃え、マーケティング、接客などの実施内容、スケジュールの検討
③ 事業実施期間の損益計画、資金計画の検討
2.関係機関との連携
 当事業は地元松前町にとっての一大プロジェクトであり、人的・金融・経営面の支援の必要性があり、愛媛信用金庫・松前町商工会・えひめ産業振興財団が一体化しての取り組み体制で行った。
3.フォローアップ
今後の出店者間のコラボレーションによるオリジナル商品開発にあたっては、当事業の進捗把握等を見据えて、愛媛信用金庫や松前町商工会とも連携を図りながら、国の農商工連携やえひめ農商工連携ファンドの支援策を活用していく予定である。

☆支援に携わったスタッフの声
事業化に向けての課題と取り組みへの提言
〈来場者の目的性や一顧客誘導〉
 行楽地等における客の購買意識は土産物を購入したいという嗜好性がありますが、当事業のターゲット客はSCへの来場を目的とする買物や娯楽等の顧客が中心となっており、運営する店舗を如何に知ってもらい松前を発見してもらうかが最初の課題であります。その克服策としては、まずは継続的なイベント等の賑わい創出による店舗への誘導が不可欠であると思われます。
〈品揃え←レスポンス率の向上〉
 まさき生まれの良材を主力商品としているため、偏った商品群になってしまうことが課題であります。その克服策として、顧客にとっての魅力的な品揃え(野菜・魚・肉の生鮮3品と惣菜)を考慮した商品の偏りの排除と必要に応じた近隣地域の特産物を一定量取り扱うことも視野に入れておくこと、また、他店との差別化を図るべくオリジナル商品の開発も必須となるであろうと思われます。
・総 括
 当事業は松前町の農水産業者や商工業者が一体となった取り組みであり、大型SCや金融機関及び支援機関の連携の賜物であると言えます。今後とも松前町一願となって取り組んでいるこの事業を応援していきたいと思っています。

2012年02月28日