湯けむり道後と今治しまなみを体感するタオル開発・販売及び観光事業

株式会社エイトワン
【企業概要】
社 名:株式会社エイトワン
代表者:代表取締役 大藪  崇
業 種:不動産の賃貸,売買及び管理
所在地:松山市西石井4丁目1番18号
資本金:10,000,000円
設 立:平成18年4月
従業員:10名

○タオルショップ事業への参入の経緯
 平成18年4月設立の会社であり、当初は主たる業務として不動産事業をしていたが、学生時代から長年にわたりお世話になっている愛媛県に対して恩返しのできる事業を模索しており、『愛媛の活性化=道後の活性化』と考え、平成20年9月より旅館「道後夢蔵」の経営権を引き継いだ。
 その後、「道後夢蔵」を地産地消の宿として浸透させていく中で、今治タオルに出会い、愛媛の活性化に向け大きな可能性を秘めている伝統技術であることから今治タオルを愛媛の代表的なお土産や贈り物として定着させるため、平成21年12月に「今治極上手巾伊織」を道後商店街内にオープンさせた。「道後夢蔵」でも今治タオルを体感できる客室備品として採用し、当社グループをあげて今治タオルを全国・海外にアピールしており、更に今治しまなみと道後温泉を強固に結び付ける新たな愛媛観光の事業も目論んでいる。
○支援体制
 大藪社長より今治タオルショップの立ち上げの相談が財団にあり、今治地域地場産業センター等の支援機関の協力を得て、商品を生産しているタオルメーカーの紹介や取引条件の交渉・調整等を行っていった。また、今後の展開である新たなオリジナル商品の開発や愛媛の観光事業の立ち上げや具現化に向け、現在も支援機関や団体等と連携体を構築して、継続的な経営のサポート中である。

○事業内容
 愛媛を代表する松山道後温泉や今治しまなみ海道の観光は、本四架橋や四国内の高速道路が整備された直後には観光客数を大幅に増やしたものの、残念ながら効果は長続きせず期待されたほどの観光の底上げにも繋かっていない。むしろ、高速道路網の拡充により、四国と他の地域との移動条件が向上したために、ますます広域化する観光地間の競争に巻き込まれている側面がある。
 そこで、地域固有の資源である『道後温泉と今治しまなみ』をより強固に連携させる新たな取り組みとして、「地場産業であるタオル製造業と道後の宿泊サービス業」及び「観光資源である道後温泉としまなみ海道」を結びつけるビジネス展開をして、愛媛県を全国・海外に向けて発信していく。
 具体的には、愛媛を代表する特産品である「JAPANブランドの今治タオル」の専門店を観光地である道
後商店街に出店、自社の旅館・ホテルとも連携をさせて今治タオルを観光客にアピールし、愛媛の新しい集客要素や伝統ある土産物・贈り物として今治タオルを定着させる。販売方法としては、タオルを平積みしてディスプレイするのではなく、パッケージ・ギフト化して「お洒落に手軽に持ち帰れる」ように観光客に適した形で提案し、メーカーの商品を仕入れるだけではなく、自社のオリジナルとして顧客ニーズを取り入れた新たなブランド品(素材・形状・カラー・用途)としてメーカーと連携した商品開発も行い、店舗全体に『湯けむりとタオルの老舗ブランド』のイメージを演出していく。また、県内への観光客の呼び込みを図るべく、道後と今治を一体化させた体験型の回遊を楽しめる宿泊プラン等を提案し、愛媛全体の観光客の増加・活性化を図っていくというビジネスモデルである。

○事業の特徴
〈優位性〉
 ①独自性のある商品を持つタオルメーカーから直接、売れ筋の商品を取り揃えることが可能である、②商品を土産物や贈り物としてお洒落に手軽に持ち帰りができるオリジナルパッケージ化しての販売であり、包装時間の短縮が図れる、③顧客ニーズを取り入れたオリジナルブランドの商品をメーカーとのタイアップにより商品開発をしていく、④道後温泉という湯とタオルのイメージの連動する観光地で、「目で見て・体感」して商品が購入できる、⑤旅館・ホテル事業を行っているので商品在庫の有効利用ができる。
 また、体験型宿泊プランは、地域に往往して地元の良さを知るメンバーが企画している。
〈将来性〉
 JAPANブランドタオルはテレビ放映(NHKクローズアップ現代)・新聞・雑誌(女性雑誌社を中心としたタイアップ記事掲載雑誌DIMEコラボ)等の多くのマスコミに取り上げられ、更に北欧フインランドのハビターレヘの出展や東京での見本市を開催するなど消費者への認知度の向上が図られており、マスコミヘの取り上げ後には好調な販売実績をあげている。
 また、体験型宿泊プランにおいては、平成21年11月より「坂の上の雲」がNHKでテレビ放映されており、松山への認知度は全国的に向上してきている。

□経営革新計画の策定及び承認申請の経過
1.地域密着型ビジネス女性事業の申請サポート
① 事業の方向性やコンセプトの確立、解決する課題の検討
② 品揃え、マーケティング、接客などの実施内容、スケジュールの検討
③ 事業実施期間の損益計画、資全計画の検討
2.関係機関との連携
 当事業は、松山道後=今治しまなみを強固に結び付けるプロジェクトであり、今治エリアの支援機関である今治地域地場産業振興センター・今治商工会議所と県内組合を支援する愛媛県中小企業団体中央会などの複数の支援機関の調整・協力等が必要であったため、支援の一体化による取り組み体制で行った。
3.フォローアップ
 今後のオリジナル商品の開発にあたっては、当事業の進捗把握等を見据えながら、今治地域地場産業振興センターや愛媛県繊維産業技術センター等とも連携を図って開発をしていく。また、観光事業においてはNPO法人シクロツーリズムしまなみ・今治NPOサポートセンターと業務提携をして具現化していく予定である。
○事業化に向けての課題と取り組みへの提言
〈Win-Winの関係を構築〉
 事業として店舗での販売や旅館・ホテルでの接客サービスをしているのはタオル商品に対する消費者ニーズの把握や情報の収集(売れ筋の素材・カラー・デザイン・形状・用途等)を行っていくのに最も顧客に近い立場に置かれているはずである。その消費者ニーズの情報を生産者であるタオルメーカーに適時・適切にフィードバックしていただき、今後の新たな商品開発に繋げてお客様の満足いく商品づくりをしていって欲しい。
 また、当該店舗の一部を顧客向けのタオルの商品・技術等の情報発信の基地としてやタオルメーカーの新作等の展示スペースとしてメーカーにも活用のできる場所として提供するなど、お互いが顧客志向のもとに成り立っていく良好な関係を築いていって欲しい。それが両者にとっての継続的なビジネスの繁栄になっていくであろう。
○今後の経営革新の進め方
 今後、道後温泉本館の改装工事が予定されており、その期間は9年前後と言われている。現在の道後温泉本館に頼りきった集客体質の現状を考えると改装工事が道後に与える影響は計り知れない。

 また、観光客の大幅な減少は道後だけの問題ではなく愛媛の経済にも大きく影響してくる課題となる。そういった将来を見据え、今から観光客にとっての魅力ある道後として道後温泉本館に頼りきらない集客体質を模索していくことが必要不可欠である。その点で今治タオルは愛媛観光の目玉となるポテンシャルを十分に持っており、愛媛の将来の発展のために県民を挙げて今治タオルを盛り上げていく必要があり、当店舗は単なる一小売店舗という位置づけではなく、愛媛県の観光全体の魅力を左右する可能性もあり、失敗が許されない事業と考えている。
☆支援に携わったスタッフの声
 今治タオルは年間生産額が約400億円で全国生産の60%以上を占めており、質量ともに日本最大のタオル産地であります。また、今治市と今治商工会議所等が連携して取り組んでいるJAPANブランド育成支援事業は4年目に入り、佐藤可士和氏をクリエイティブディレクターに起用したブランディング・プロジェクトは予想以上の成果を上げ、消費者の今治タオルに対する関心はかなり上がってきています。また、新たな観光戦略として体験型のしまなみツーリズムは169にものぼるメニューを取り揃えています。一方、日本最古の温泉で知られる道後温泉等の平成20年の松山圏城の観光客総数は9、649千人を有しており、県内屈指の宿泊地として認知されています。その道後に今治タオルやツーリズムを活用することによって、『愛媛=道後&今治(しまなみ海道)』という二枚看板を作り、愛媛をより魅力的な観光地として広くアピールしてもらえることに大いに期待をしています。

2012年02月28日